『年収90万円でハッピーライフ』は新しい時代の生き方・考え方の提案だった
読書週に2日だけ働いて、残り5日は必要最低限の暮らしで幸せに暮らす。
そんな著者の考え方や生き方を知ることができる本です。この本は、ハウツー本ではなく、これからの新しい時代に向けての思考術を教えてくれます。著者のような暮らしは出来なくても、著者の考え方・物事の捉え方はとても参考になるし、本当の自由ってこういうことなのかなと考えさせられました。
著者の暮らし
タイトルの通り著者は年収90万円で暮らしています。
- 東京の多摩在住
- 家賃は2万8千円/月
- 食費は1万円/月
- 固定費は1万5千円/月
- 図書館での読書と散歩が趣味
- 週2日だけアルバイト
こうやって見るとなかなか切り詰めていて、大変そうです。だけど、週休2日で一生懸命働いて、インスタントやコンビニの食事をする生活と比べてみると、「どっちが幸せな生活なんだろう」と疑問に感じます。ストレスを溜めながら働いて、稼いだお金をストレスを解消するために使うのって、なんだかオカシイ気がします。
こういう暮らしを選んだときの著者の考え方は以下の通りです。
自分はどう考えても「必要なだけ働けば満足派」なので、まず生活水準を下げられるところまで下げる。必要最低限のお金がいくらかわかれば、そこから週に何日働けばいいか、逆算できると思ったんです。しかも、必要なお金が少なければ少ないほど、働かなくていい。
『年収90万円でハッピーライフ』より
確かに、お金が必要だから働くのであって、他の人と同じように一律で週5日働くのは間違っている気がします。それぞれの人にとって必要が生活費があって、そのために必要な分だけ働けばいい、というのはその通りだと思いました。
やりたくないことは見つけやすい
「やりたいことは何ですか」と言われても困るひとは多いのではないでしょうか。この本では「やりたいこと」ではなく「やりたくないこと」について、以下のように書かれていました。
そこで、どうしても進まなきゃいけないときは、消去法がオススメです。
『年収90万円でハッピーライフ』より
というのは、人間、やりたいことはわかんなくても、やりたくないことは意外と迷わないんですよね。
目の前にある選択肢から、どれをやりたいのではなく、やりたくないものからどんどん消去していきます。残ったものから「これならまあガマンできるかな」というものを選ぶんです。
確かに、やりたくないことははっきり言える!
仕事をやりたくないから辞める、というのはハードルが高いですが、身の回りのちょっとした「やりたくないこと」を減らしていくと、なんだか楽になれそうです。
当たり前に囚われない
この本の主旨は「90万円で暮らす方法」ではなく、新しい時代の考え方です。様々なトピックに対して、著者の当たり前に囚われない考え方はとても参考になりました。
- 進学とか就職ってしないと生きていけないんでしょうか?
- 友達って必要?
- 他人と比べられてツライとき
- いじめられて死にたいとき
- LGBTのこと
- 家族はいちばん近くにいる他人
これらのトピックについて、これまで当たり前に捉えていたことを、著者は本質に立ち返って考えます。その本質とは「みんなそれぞれ違う」ということです。「〜しないといけない」なんてコトや「普通」なんてモノはなくて、自分はどうなっていたらハッピーかを知って、それに従うということです。周りに合わせたり、周りと比較することは必要ないんです。
これは多様性が重要視されてきている今において、とても合っている考え方だと思いました。
まとめ
やりたくないことをやらずに、どうすれば自分が楽でハッピーに生きられるか。それを自分に問うていくことが大切だと思いました。こうやって書くと、当たり前のことですね。
それでも、人と一緒に過ごしたかったり、人から認めてもらいたかったり、人のことを気にせずにはいられないひとも多いと思います。自分もそうです。それはそれで認めてあげれば良いと思います。著者のような生き方ができなくても良くて、自分に適した生き方を探していくことが大切なんだと思いました。
だけど、それは簡単なことじゃないと思います。著者は週2日だけ働く生活をしていることで、内省できているように思います。忙しい人は、本当はもっと自分のことを考える時間や余裕が必要なんだけど、それが出来ない状態になっているのではないでしょうか。
思考停止して当たり前として捉えずに、自分の心に問うて、それに素直に従って生きていく。そんな基本の考え方をこの本が教えてくれた気がします。